受容体にくっついた男性ホルモンはそのままでは活性がなく、酵素が男性ホルモンを還元することにより活性化し、強い男性ホルモン作用を持つことになります。睾丸から分泌された男性ホルモンは皮脂腺で活性化され、毛乳頭に降りてきて悪さをするのではないかと考えられているのです。つまり、皮脂の中の5−α−リダクターゼという還元酵素がテストステロンを活性化し、5−α−DHT(デヒドロテストステロン)となり、強力な男性ホルモン作用を起こし、毛母細胞の分裂を阻害するようになってしまうのです。
(3)男性ホルモンに対する感受性の高い人が禿げる
男性ホルモンは細胞に直接働きかけることができないため、まず、細胞にある受容体(レセプター)とくっつく必要があり、そのため禿げるかどうかの鍵は受容体にあるのではと考えられるようになりました。研究者が探したところ、問題の受容体は頭髪やヒゲの毛乳頭に存在することが確認されましたが、若ハゲかどうかにかかわらず皆同じ位に受容体があることがわかり、男性ホルモンはヒゲや体毛を濃くするのに対し、頭髪にはなぜか反対の働きをしています。受容体自体の感受性の高さによるものかも知れませんが、この辺はまだ解明されていません。
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